2016年12月26日月曜日

アルミニウムとリサイクル~ウスイ金属豆知識~

今回のウスイ金属豆知識ではアルミニウムとリサイクルに注目してご紹介します。

身近なアルミニウムといえば、アルミ缶ですね。
アルミ缶と言えば回収されリサイクルされている事は皆さんもご存じかと思います。
何故アルミ缶の回収・リサイクルが盛んに行なわれているのでしょうか?その理由はアルミニウムの特性に関係しています。

アルミニウムには他の金属と比較して、腐食しにくい、融点が低いといった特性があり、この特性により使用後のアルミ製品を溶かし再利用する事が容易となっています。さらに、アルミニウムの場合再生地金を作成するのに必要なエネルギーが、新たに地金を作る場合と比較して、なんと僅か3%で済むのです。少ないエネルギーで容易に再利用する事が可能というわけです。肝心なリサイクル後の品質も、新地金と大差ない物が出来るので、とても経済的です。

こうした理由から、アルミ缶の空き缶回収が盛んに行なわれているのですね。
これまでのウスイ金属豆知識でご紹介したアルミニウムの様々な特性などをみても、今後ますますアルミニウムの需要は増える一方でしょう。そうした中、アルミニウムのリサイクル率の高さ、容易さは素材としての安定的な供給という面で安心出来ますね。

ウスイ金属

2016年12月20日火曜日

銅の殺菌効果と有機野菜~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、銅は銅でも今までとは全く異なるシーンで活用されている銅をご紹介させていただきます。これまでご紹介したウスイ金属豆知識では、主に工業などの場でしたが今回は農業で活用されている銅です。

「ボルドー液」という農薬をご存じでしょうか。
ボルドー液には、硫酸銅が含まれており、銅の殺菌効果が活かされている農薬です。ボルドー液は、果物や野菜など幅広い農作物に使用する事が出来るので汎用性が高く、薬害も少ない農薬なので、農林水産省が告示する「有機農作物の日本農林規格」にも指定されており、有機農法での使用を認められています。今年放送されたNHK連続テレビ小説「あさが来た」のワンシーンでもボルドー液が登場していましたね。

食の安全に対する意識が高まる中、有機農法で作られた有機野菜の人気も自ずと高まっています。有機野菜と言えば無農薬で作られた野菜というイメージが高いですが、実際の所まったくの無農薬というわけでもありません。化学農薬、化学肥料および土壌改良材を使用せず作られた農産物、および必要最小限の使用が許されている化学資材を使用して生産されたものを指します。他にも細かい条件などはありますが、銅が含まれているボルドー液は国が定める有機JAS法で認められている薬害の少ない農薬なのです。その為、ボルドー液が使用されていても立派な有機野菜なのです。

銅の殺菌効果は、工業と畑違いともいえる農業の場面でも活用されているのです。銅って凄いですね!

ウスイ金属

2016年12月12日月曜日

銅の殺菌効果が活かされる現場~ウスイ金属豆知識~

以前のウスイ金属豆知識でも銅の秀でた殺菌効果についてご紹介しましたね。
今回のウスイ金属豆知識では、実際にどの様な場所で銅の殺菌効果が活かされているのかご紹介させていただきます。

まず、銅とは異なりますが、ステンレスにも殺菌効果がある事が知られています。
ステンレスの殺菌効果を活かした製品として、グレーチングがあります。グレーチングとは、格子状に組まれた溝蓋で、ステンレス製のグレーチングが登場するまでは溝に菌が繁殖しやすく不衛生という課題を抱えていました。しかし、ステンレス製のグレーチングが登場してからはこの課題をクリアする事に成功しました。その他にも雑菌の繁殖しやすい排水トラフやゴミ受けのバスケットなど水まわりの機器をステンレス製にする事で衛生面に気を配られています。

そして、最近ではステンレスよりもより高い殺菌効果を持つ銅が注目を浴びているのです。ステンレスの殺菌効果も優れていますが、近年、食中毒や院内感染などが社会問題として取り上げられています。人の命を預かる現場である病院や介護施設、食を扱う厨房などではより高い衛生管理が求められています。そうした現場に向けられているのが銅製のグレーチングなど排水システムです。

ステンレスと比べ銅は高価な為、コストがかさみますが銅の秀でた殺菌効果による「安心・安全」の意識から徐々にシェアを広げている様です。また、欧米では日本以上に銅による排水システムが広がっている様です。


ウスイ金属

2016年12月5日月曜日

銅と船底が赤い理由~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、「銅と船底が赤い理由」です。
以前ご紹介したウスイ金属豆知識「銅の耐腐食性」にも通ずる内容ですが、今回の豆知識もとても興味深い内容なので是非ご覧ください。

皆さん「船底」と聞いてまず何色を思い浮かべますか?
普段私たちが目にする船は大抵船底が海に浸かっているのであまりまじまじと目にする機会はないかもしれませんが、船のプラモデルの船底は何色?と聞かれたらイメージしやすいのではないでしょうか。

船底と聞いて最もイメージされやすい色、それは赤色です。
実際、大型船やタンカーをはじめあらゆる船の船底は赤色に塗られている事が多く、日本だけでなく海外でも赤色の船底を持つ船はとても多くあります。

何故船底を赤く塗るのか?
まず、船底に塗られている赤い塗料は、赤褐色の亜酸化銅の粉末を主原料とした塗料で、合成樹脂が配合されています。(やっと銅が出てきましたね!)
そしてこの亜酸化銅の塗料は、フジツボなど船の天敵ともいえる海生生物の付着に絶大な効果を発揮するのです。そうです、これこそが船底が赤い理由なのです。

船が航海しているうちに、船底部分はフジツボ・イガイ・ホヤ・コケムシ・海藻などが付着し、これを放っておくと摩擦抵抗によりスピードが落ち、燃費が落ちる原因に。こうした厄介者を寄せ付けない効果が亜酸化銅の塗料にはあるのですね。

船底が赤い理由は、船を天敵から守る為だったのです。
銅にはこうした特性もあるのですね、驚かれた方も多いのではないでしょうか。

ウスイ金属

2016年11月28日月曜日

アルミニウムの特性「真空特性」~ウスイ金属豆知識~

11月28日、本日のウスイ金属豆知識です。
本日ご紹介するウスイ金属豆知識は、アルミニウムの真空特性についてです。


  • 高真空ポンプや配管
  • 高真空半導体装置
  • 理化学実験装置


など各種産業や実験施設などで使用されている真空装置にはアルミニウムを用いた物が数多くあります。その理由は、アルミニウムを上記の様な真空装置の材料として用いた際に、ガスの放出率が非常に小さく、また、真空到達性能が他の材料に比べてとても優れているからです。

アルミニウムはこの様に大変優れた真空特性を持っている為、各種産業や実験施設などで用いられている真空装置の材料として使用されているのです。

アルミニウムは本当に数多くの特性を持った金属ですね。

ウスイ金属

2016年11月21日月曜日

アルミニウムの特性「接合が容易」~ウスイ金属豆知識~

今回ウスイ金属が注目したアルミニウムの特性は「接合が容易」という点です。

アルミニウムには様々な接合方法があり

  • 溶接
  • ろう付け
  • はんだ付け
  • 電気抵抗溶接
  • リベット接合
  • 接着

などが一般的なアルミニウムの接合方法として知られています。
この様にアルミニウムは様々な方法で容易に、かつ信頼性の高い接合を行う事が可能です。また、こうしたアルミニウムの接合技術の進歩はまさに日進月歩であり、日々様々な分野で設計ならびに接合の合理化を実現するものとしています。

ウスイ金属豆知識で沢山のアルミニウムの特性を紹介してきましたが、アルミニウムの特性はまだまだ尽きる事がありません。

次回のウスイ金属豆知識ではアルミニウムの真空特性についてご紹介させていただこうと思います。

ウスイ金属

2016年11月14日月曜日

アルミニウムの特性「鋳造が容易」~ウスイ金属豆知識~

今回のウスイ金属豆知識では、アルミニウムの鋳造に注目してみました。
アルミニウムの「鋳造が容易」という特性をウスイ金属豆知識としてご紹介させていただきます。

アルミニウムは融点が低いという特徴があります。
つまり、比較的低い温度でも溶けるという事ですね、鋳造する上で融点は大切なポイントです。また、アルミニウムは熔解した状態でも表面が酸化皮膜で覆われるのでガスを吸収しにくいという特徴や、湯流れが良いという特徴も併せ持っています。

こうしたアルミニウムの特性は、薄肉の鋳物や複雑な形状をした鋳物を作るのに向いています。その為、アルミニウムの鋳造品は自動車部品や、カメラのボディなど各種産業機器の部品に幅広く使用されています。

鋳造が容易という事は、その分製造過程も容易ということですね。

ウスイ金属

2016年11月7日月曜日

アルミニウムの特性「高い美観性」~ウスイ金属豆知識~

これまでのウスイ金属豆知識でご紹介させていただいている通りアルミニウムは様々な特性を持っていますが、今回のウスイ金属豆知識ではアルミニウムが持つ「高い美観性」に注目してご紹介させていただきます。

アルミニウムは表面への加工処理を行わず素地のままでも高い美観性をもつ金属ですが、用途などに応じて様々な表面処理加工を施す事でより一層美観性が高くなります。表面処理の方法によってはアルミニウムの表面の強度を上げたり、腐食を防ぐ効果を高める事も可能です。

また、アルミニウムは表面処理加工によって様々な色彩を表現する事も可能です。その為、建築物の外装や包装材といったデザイン性が求められる分野でも幅広く活用されている金属です。

アルミニウムの美観性を活かした建築物といえば、金沢駅が有名ですね。
金沢駅の大屋根はアルミニウムで作られていますが、金沢駅近隣の歴史的景観に調和した秀逸なデザインです。金沢駅を利用される際は是非注目してみて下さい。

ウスイ金属

2016年11月1日火曜日

アルミニウムの特性「毒性が無く人体に無害」~ウスイ金属豆知識~

これまでのウスイ金属豆知識でアルミニウムの特性と共に、幅広い活用法もご紹介してきましたが、アルミニウムについて知れば知る程私たちの身近にある金属だという事がわかってきますね。今回のウスイ金属豆知識でご紹介するアルミニウムの特性は「毒性が無く人体に無害」という点です。

実は、アルミニウムは人体に無害かつ無臭なので衛生的に優れた金属です。
また、万が一何らかの化学作用でアルミニウムが溶け出したり化合物を生成したとしても、人体を害したり土壌汚染を引き起こす心配がありません。

こうした人体に対する有害性の懸念がないアルミニウムは、食品や医薬品などの包装や、缶飲料、医療機器などにも広く使われています。わかりやすい物をあげると、薬を包んでいる銀色のPTPシートやアルミパウチなどですね、これらがアルミニウムで出来ているという事はご存じでしたか?普段何気なく目にしているけれど言われてみれば確かにアルミニウムだ!というものが沢山ありますね。

ウスイ金属

2016年10月24日月曜日

アルミニウムの特性「優れた反射性」~ウスイ金属豆知識~

これまでのウスイ金属豆知識で様々なアルミニウムの特性をご紹介しましたが、アルミニウムの特性はまだまだあります。今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、アルミニウムの「優れた反射性」です。

よく磨かれたアルミニウムには、赤外線や紫外線といった光線、ラジオやレーダーから発せられる電磁波、各種熱線などを反射する特性があります。この特性はアルミニウムの純度が高ければ高いほど優れ、99.8パーセント以上の純度のアルミニウムであれば放射エネルギーの90パーセント以上を反射する事が可能です。

アルミニウムのこうした優れた反射性は様々な場面で活用されており。
暖房器具の反射板、照明器具といった私たちの生活を支える日常的な器具から、宇宙服や鏡面加工を施し更に反射性を高めたアルミニウムをポリゴンミラーや光エレクトロニクス製品への活用など最先端の技術にも活用されています。

アルミニウムの特性は知れば知る程、驚かされますね。

ウスイ金属

2016年10月17日月曜日

アルミニウムの特性「低温への優れた耐性」~ウスイ金属豆知識~

前回のウスイ金属豆知識では、アルミニウムが優れた熱伝導率をもっているという事をご紹介しましたね。今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、アルミニウムの「低温への優れた耐性」という特性です。

アルミニウムは熱を良く伝えるだけでなく、低温に対する優れた耐性を持っているので、マイナス196度の液体窒素や、マイナス183度の液体酸素、マイナス162度のLNGなどを入れるタンクとしても使用されているのです。その為、大きな丸いタンクがいくつも乗っているLNGタンカーなどのタンクはアルミニウムで作られています。

一般的な金属では液体窒素や液体酸素などの極低温下に耐えられず、パキっと割れてしまいますがアルミニウムは低温に強く、むしろ低温下にさらされると更に強度が増すので脆性破壊の心配がないという事ですね。アルミニウムのこの特性は上記の様な分野だけでなく、宇宙開発現場やバイオテクノロジーなど様々な分野でも注目を集めています。

アルミニウムのこうした特性を有効活用する事によって技術開発が更に加速している分野も数多くあるでしょうね。アルミニウムが持つ特性はどれも素晴らしい物ばかりです。

ウスイ金属

2016年10月11日火曜日

アルミニウムの特性「優れた熱伝導率」~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、アルミニウムの特性の中から「優れた熱伝導率」です。以前のウスイ金属豆知識で銅の熱伝導率についてもご紹介しましたね。銅とアルミニウムは金属の中でも優れた熱伝導率を持っているのです。

鉄とアルミニウムの熱伝導率を比較すると、アルミニウムは鉄の約3倍の熱伝導率=熱を伝えやすいという特性を持っています。また、熱を伝えやすいという特性と同時に、急速に冷えるという特性も持ち合わせています。この双方の特性を活かしアルミニウムはエアコンなどの冷暖房の装置や、車などのエンジン部分といった各種熱交換器に使用されています。身近なものですと缶飲料のアルミ缶もこの特性を活かしたものです。

また、最近では様々な機器の軽量化、コンパクト化が進んでいますが、この様に高密度化が進んだ機器でシステムの過熱を防ぐ為の放熱フィンや、ヒートシンクとしてもアルミニウムが活用されています。

アルミニウムの優れた熱伝導率を活かした産業分野は上記以外にも沢山あり、新分野でも活用されています!

ウスイ金属

2016年10月3日月曜日

アルミニウムの特性「非磁性体」~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識、アルミニウムの特性は「非磁性体」です。
非磁性体とはつまり、磁気を帯びないという事です。
その為、磁場に影響されず、これまでのウスイ金属豆知識でご紹介したアルミニウムが持つその他の特性(軽い・優れた耐食性・高い加工性)とあわせて様々な製品で活用されています。

アルミニウムが持つ非磁性体の特性を生かした主な製品は、計測機器・電子医療機器など磁場の影響を受けずに精密な測定が求められる機器やパラボラアンテナ、リニアモーターカーなど様々な製品に用いられており、その用途は広がるばかりです。

また、アルミニウムの非磁性体の特性はゴミの分別でも活かされています。
缶飲料の容器は、スチール缶とアルミ缶の2種類が存在しますね。ゴミを収集した際、この2つは分別されていない事がほとんどです。その為、ゴミ収集施設などではスチール缶とアルミ缶の分別に磁石を利用しています。スチール缶は磁石にくっつきますが、アルミ缶は反応しません。ベルトコンベアに未分別の空き缶を流し、磁石で分別するのです。とっても効率的ですね。

アルミニウムの多彩な特性には驚かされるばかりですね。

ウスイ金属

2016年9月26日月曜日

アルミニウムの特性「電気伝導率の高さ」~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識はアルミニウムの特性の中から「電気伝導率の高さ」に注目してご紹介させていただきます。

アルミニウムは電気伝導体としてとっても経済的で優れた金属です。
以前ご紹介したウスイ金属豆知識で銅の伝導率の良さについてもご紹介させていただきましたね。アルミニウムの電気伝導率は銅の約6割にとどまりますが、銅とアルミニウムの重さを比較した場合、アルミニウムは銅の3分の1なので、同じ重さの銅と比較した場合は約2倍の電流を通す事が可能なのです。アルミニウムは軽いうえによく電気を通すという事ですね。

こうしたアルミニウムの電気伝導率の高さから、現在では高電圧の送電線でほぼ100%に近い割合で使用されています。また、電導体として様々な場所で活用されており、アルミニウムはエネルギーやエレクトロニクスなどの部門での需要が大きく伸びている素材です。

ウスイ金属

2016年9月20日火曜日

アルミニウムの特性「加工性の良さ」~ウスイ金属豆知識~

これまでのウスイ金属豆知識でアルミニウムの豊富な加工方法についてご紹介させていただきましたが、今回のウスイ金属豆知識ではアルミニウムの「加工性の良さ」に注目してご紹介させていただきます。

アルミニウムはプレス加工が容易で、様々な形に加工する事が出来ます。
例えば、アルミホイルなど紙の様に薄い箔へ加工したり、複雑な形状の押し出し形材などへ製造する事も簡単なので、アルミニウムはとっても幅広い用途で使用されている素材なのです。

出来上がった製品素材へ更に成形加工を施したり、製品の表面などへ精密加工を加えたりすることも比較的容易に行なえます。またアルミニウムは切削加工性にも優れており、金型などの工具類や機械部品にも使用されているのです。

この様に、アルミニウムは「加工性の良さ」という特性から様々な加工が容易に行なえる為、産業や私たちの日常生活を支える優れた金属の一つなのです。

ウスイ金属

2016年9月12日月曜日

アルミニウムの特性「耐食性」~ウスイ金属豆知識~

これまでのウスイ金属豆知識でアルミニウムの「高い強度」「軽さ」といった特性をご紹介させていただきましたね。今回ご紹介させていただくウスイ金属豆知識ではアルミニウムの特性「耐食性」です。

「耐食性」とは、腐食に耐える性能の事を言いますが、アルミニウムは優れた耐食性を誇り、錆びにくい金属として知られています。

アルミニウムは空気中では緻密で安定した酸化被膜を生成します。この被膜には自己補修作用があり腐食を防止する効果があるのです。また、耐食性を更に高め、かつ強度も兼ね備えたアルミニウム合金は様々な用途で採用されており、建築・自動車・船舶・海洋開発などの分野ではアルミニウムのもつ耐食性が大いに生かされているのです。

それぞれの金属が持つ特性に注目し様々な産業に活用する事が出来るのですね。
高い耐食性を誇るアルミニウムは、金属にとって過酷な環境下である自動車や船舶、海洋開発の分野で大きく貢献しています。

ウスイ金属


2016年9月5日月曜日

銅からアルミに、軽量化するラジエーター~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、「銅からアルミに、軽量化するラジエーター」です。

ラジエーターとは冷却器の事で、エアコンの室内・室外機、自動車やトラックなどに搭載されています。以前までのラジエーターは銅や黄銅を使用したものが主流でしたが、最近では主に自動車の分野でアルミ製のラジエーターが主流となっています。これは自動車の軽量化によるもので、銅はアルミの約3倍の重さがあるので、ラジエーターを銅からアルミに変えるだけでかなりの軽量化になります。

こうした移り変わりは、生産だけでなくウスイ金属の様な非鉄金属リサイクルの業界にも影響しています。

従来のラジエーターは、主に銅を使用していたので銅スクラップの一品種という扱いでJIS(日本工業標準調査会)にも記載されていましたが、アルミのラジエーターが普及している現在は、銅スクラップ部門から削除され、アルミ部門に「アルミ及びアルミ銅ラジエーター」としてJISに記載されています。銅の資源としてリサイクルしていたラジエーターが、アルミの資源として取り扱われるようになったという事ですね。


ウスイ金属

2016年8月29日月曜日

アルミニウムと人体への摂取~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、「アルミニウムと人体への摂取」です。

貧血予防などで欠かせない鉄分と異なり、人体へのアルミニウムの摂取はあまり聞きなれませんし、まさか?と思いますよね。実は、食品や食品添加物、飲料水や調理器具などを通して私たちは日頃から微量のアルミニウムを摂取しています。

1日当たりのアルミニウムの摂取量は、地域や食生活などによって異なりますがWHOによる報告では2.5~13mgと言われています。

では、人体に摂取されたアルミニウムはどの様な働きをするのでしょうか?
一般的に、体の中には常に35~40mgのアルミニウムが存在していると言われており、主に肺や骨などに分布し、わずかに血液・脳などにも分布しているそうです。こうして聞くと私たちの身体を維持する為に鉄分と同じくアルミニウムも必要な様に感じますが、実はアルミニウムの体内での働きは未だにハッキリとは解明されていません。そして、人体に摂取されたアルミニウムの殆どは体に吸収されずそのまま排泄されます。

体内でどの様な働きをするのかよくわからないものを摂取しているなんて…と不安に感じられる方もいるかもしれませんが、アルミニウムを含んでいる食品は海藻・貝類・肉・魚・白米・野菜・茶類など私たちのごく身近な食品に多少なりとも含まれているものですのでご安心下さい。

未だにどの様な働きをするかわかっていないというのも不思議ですが、取り込まれたアルミニウムの大半が排泄されている事から察するに、私たちの身体にはあまり必要のない成分なのかもしれませんね。

今回のウスイ金属豆知識は、産業の分野から少し離れてみたアルミニウムの一面でした。

ウスイ金属


2016年8月22日月曜日

人類とアルミニウムの歴史・後編~ウスイ金属豆知識~

前回のウスイ金属豆知識で「人類とアルミニウムの歴史・前編」をご紹介させていただきましたね。今回のウスイ金属豆知識は「人類とアルミニウムの歴史・後編」です。

1900年代以降のアルミニウムと人類の関わりについてご紹介させていただきます。

【人類とアルミニウムの歴史・後編】

  • 1894年 日本ではじめてアルミニウム製品が製造。
  • 1897年 日本の民間でアルミニウム板の生産開始。アルミニウム製の鍋や水筒、弁当箱などが製造される。
  • 1903年 ドイツのアルフレート・ヴィルムがジュラルミンを発明。この発明でアルミニウムの用途が一気に広がり、主要工業材料としての地位を確立。
  • 1929年 日本でアルマイト処理が発明される。
  • 1926年 予定存続期間を99年間とした国際カルテルがヨーロッパで誕生。
  • 1934年 アルミニウムの製錬が日本で始まる。
  • 1936年 日本で超々ジュラルミンが開発。
  • 1959年 日本でレディメードアルミサッシが登場。
  • 1969年 日本でのアルミニウムの総需要が100万トンを突破。
  • 1970年 世界でのアルミニウムの総需要が1000万トンを突破。
  • 1971年 日本でオールアルミ缶が登場。
  • 1987年 日本でのアルミニウムの総需要量が300万トンを突破。
  • 1990年 オールアルミボディ車「NSX」が日本の自動車メーカーホンダから登場。
  • 1995年 世界でのアルミニウムの総需要が2000万トンを突破。
  • 1996年 日本でのアルミニウムの総需要が400万トンを突破。


この歴史をたどる事で、日本や世界でのアルミニウムの需要の高まり、そして工業技術の目覚ましい発展がよくわかりますね。特に、日本で開発された超々ジェラルミンは飛行機などにも使用されるアルミニウムで、航空機の生産に大きく貢献している技術です。

ウスイ金属

2016年8月16日火曜日

人類とアルミニウムの歴史・前編~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、「人類とアルミニウムの歴史・前編」です。
人類とアルミニウムの歴史はご紹介すると長くなりそうなので、前編・後編と分けてご紹介させていただこうと思います。

【人類とアルミニウムの歴史・前編】
  • 1782年 フランスの化学者アントワーヌ・ラヴォアジエがミョウバンの中に金属が含まれているという説を発表しました。
  • 1807年 イギリスの電気化学者ハンフリー・デービーが水素気流中で融解アルミナを電気分解する手法で金属アルミニウムの存在を確認。アルミアムと命名。
  • 1855年 フランスの化学者アンリ・サント・クレール・ドビーユが化学還元法によりアルミニウム製錬を開始。
  • 1886年
    • アメリカのチャールズ・マーティン・ホールが電解製錬法を発明。
    • フランスのポール・エルーがホールより数か月遅れて電解製錬法を発明。
    • 現在に至るまで使用されている電解製錬法(ホール・エルー法)が確立。
  • 1887年 オーストリアのカール・ヨーゼフ・バイヤーがボーキサイトから高純度のアルミナを効率的に製造するバイヤー法を発明。ホール・エルー法と合せて、現在のボーキサイトからアルミニウムまでの製造法が確立されるに至りました。
有史以前から人類の文明と密接な関係があった銅と比べると、アルミニウムは歴史の浅い金属の様に感じられますね。「人類とアルミニウムの歴史・後編」のウスイ金属豆知識では、1900年代以降のアルミニウムの歴史をご紹介する予定です。

ウスイ金属

2016年8月8日月曜日

アルミニウムの加工方法~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は「アルミニウムの加工方法」です。
前回のウスイ金属豆知識でアルミニウムがどの様にできるかご紹介しましたね。素材から出来上がったアルミニウムはどの様に加工され、製品となるのでしょうか。

アルミニウムの板などは様々な加工を行うことにより、最終的に製品となります。アルミニウムの加工方法には曲げ・絞りなどといった成形、切削、切断、接合、表面処理など様々な方法があります。また、こうした加工方法は年々進歩を遂げており、アルミニウム製品の信頼性の向上、新たな付加価値の誕生などとても重要な役割です。

数ある加工方法の中でも、アルミニウムの接合方法は多種多様です。
大きく分けると、機械的接合、接合、溶接の3つに分ける事ができます。

◆機械的接合…ボルトなどの締結材を使用して接合する方法や、板の端を折り曲げてかみ合わせる方法など。

◆溶接…アルミニウムを加工する際の接合方法では溶接が主流です。また、溶接の中にもレーザー溶接や按摩攪拌溶接など様々な溶接方法があります。

他にも蝋付けやはんだ付け、接着など様々な加工方法があります。

ウスイ金属

2016年8月1日月曜日

アルミニウムができるまで~ウスイ金属豆知識~

前回までのウスイ金属豆知識で、アルミニウムが軽く、高い強度を誇る金属だという事をご紹介しましたね。今回のウスイ金属豆知識はアルミニウムがどの様に作られているのか、その過程についてご紹介します。

  1. アルミニウムの原料は「ボーキサイト」という鉱石です。
  2. 採掘したボーキサイトをか性ソーダ液で溶かす
  3. アルミン酸ソーダ液ができる、アルミナ分を抽出
  4. アルミナを熔解氷晶石の中で電気分解する
  5. アルミ地金の完成

こうしてアルミニウムができるわけですが、完成したアルミ地金を原料とし、

  • 圧延
  • 押出
  • 鍛造
  • 鋳造加工

といった様々な加工方法を用いて、いろいろな形の製品素材に成形する事が出来ます。
アルミニウムはとても身近な金属ですが、どうやって作られているのか知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?

ウスイ金属


2016年7月25日月曜日

アルミニウムの特性「高い強度」~ウスイ金属豆知識~

前回のウスイ金属豆知識では、アルミニウムの特性のうち「軽さ」についてご紹介させていただきました。今回のウスイ金属豆知識では、アルミニウムのもう一つの特性「高い強度」についてご紹介させていただきます。

アルミニウムは、比強度といって単位重量当たりの強度が高く(つまり頑丈という事ですね)その為、輸送機器や建築物など様々な構造材料として広く使われています。

ただ、純アルミニウムの引張強さはあまり高くありませんが、純アルミニウムにマグネシウム・マンガン・銅・けい素・亜鉛など他の金属類を添加して合金にしたり、圧延といった加工や、熱処理などを施す事で、強度を高くする事が可能です。

最近ですと、アルミニウムにリチウムを加えた低密度・高剛性の優れた合金が開発され、航空機や大型構造物用の材料として注目が集まっています。

アルミニウムはとても優れた金属ですね。

ウスイ金属

2016年7月19日火曜日

アルミニウムの特性「軽さ」~ウスイ金属豆知識~

前回までのウスイ金属豆知識では、銅に関する情報を中心にご紹介していましたが、今回からはアルミに関する情報を中心にご紹介してみようと思います。

それでは今回のウスイ金属豆知識は、アルミニウムの特性の一つ「軽さ」についてご紹介させていただきます。

アルミニウム…2.7
鉄…7.8
銅…8.9

この数字はそれぞれの比重です。
鉄や銅に比べてアルミニウムの比重が約3分の1程度しかなく、とても軽い事がわかりますね。産業における性能向上を行う上で、軽量化はとても重要なポイントです。アルミニウムのこの軽さは軽量化を求める時代のニーズにマッチしているのです。

具体的には、自動車・鉄道の車両といった身近な乗り物から、航空機・船舶・コンテナと言った輸送分野でも多くのアルミニウムが使用されているのです。

また、各種機械の高速回転部分や、摺動部品の作動効率を高めたり、装置の大型化による重量増加を抑える目的などでもアルミニウムの軽さを生かして使用されています。

この様に、アルミニウムの特性である軽さは様々な効果をもたらしているのです。

ウスイ金属



2016年7月11日月曜日

人と環境に優しい金属「銅」~ウスイ金属豆知識~

人にも環境にも優しい金属、それは銅です。
今回のウスイ金属豆知識では、銅がどの様に人や環境に優しいのかウスイ金属がご紹介させていただきます。

給水・給湯用の配管には、ステンレス鋼管や樹脂管など様々な素材の配管が使用されていますが、銅管も給水・給湯用の配管として使用されています。銅管は、高い耐久性、リサイクル性の高さ、そして製造から施工まで地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が少ないという点が特徴です。

その他にも、厚生労働省による調査研究の報告によると、殆どの樹脂管から環境ホルモンの疑いがある物質が溶出されているとありますが、銅管はこの様な環境ホルモンとは無縁の存在です。

この様に銅は、人にも地球環境にもとっても優しく、安心できる金属です。

ウスイ金属

2016年7月4日月曜日

リサイクル性に富む銅~ウスイ金属豆知識~

前回のウスイ金属豆知識で、銅を新たに採掘する事が難しいこと、銅の需要とリサイクルについてご紹介しましたね。今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、有価金属として積極的に回収、資源化されている“リサイクル性に富んだ銅”です。銅とリサイクルについてもう少し掘り下げてご紹介してみますね。

使用済の銅または銅合金は、スクラップとしての価値が高く、積極的に回収されリサイクルされています。
例えば銅線や伸銅を製造しているメーカーなどでは、部品を加工し、その際に発生した銅クズは、ほぼ確実に原料として再利用にまわされています。また、使用済みの廃棄電線もほぼ確実にリサイクルされており、純良な銅は電線や伸銅メーカーで再利用され、メッキなどが施されている物は伸銅や鋳物メーカーといった所で再利用されています。

この様にリサイクル性に富んだ材料である銅は、有価金属として積極的に回収・資源化が行われています。様々な資源には限りがありますが、数ある金属の中でも銅はリサイクルという面で何歩もリードしている存在ですね。地球環境に優しい銅の需要はますます高まるでしょう。

ウスイ金属

2016年6月27日月曜日

銅の需要とリサイクル~ウスイ金属豆知識~

これまでのウスイ金属豆知識の記事で銅の様々な特性やその利便性から、日常生活や工業の場で高い需要を誇る金属である事をご理解いただけたかと思います。今回のウスイ金属豆知識では、増加の一途をたどる高い需要と、それを叶えるリサイクルについてご紹介します。

有史以来、日本を含む世界中の鉱山から莫大な量の銅が採掘され続け、その需要は時代をおうごとに増加の一途をたどっています。しかし現在では既に世界中の鉱山から銅が採掘し尽くされ、鉱石品位の低下、採掘を行った際に生じる鉱毒や環境汚染問題から、鉱山での採掘という新たな銅の調達方法は難しくなっています。

しかし、銅は回収し精錬を行う事で半永久的に再生可能な金属です。つまり、新たな銅を採掘する事が難しくても、既にある銅を回収し精錬すれば繰り返し何度でも利用する事が可能なのです!銅の需要がますます増加する中、こうした銅のリサイクルに対する注目は世界的に高まりを見せています。

ウスイ金属

2016年6月20日月曜日

生活インフラを支える銅~ウスイ金属豆知識~

銅が私たちの生活インフラを支える重要な金属素材である事はこれまでの様々なウスイ金属豆知識の記事でご紹介してきましたが、今回はその総まとめといった内容です。

私たちが日々生活する中で、身の回りには必ずと言っていい程、銅が存在しています。

【生活インフラを支える銅】
◆電線
 ・優れた伝導性・柔軟性から電線に最適
 ・家電製品などにも使われている
◆水道
 ・優れた耐腐食性、施工性、衛生性、耐凍結性などの特性を持つため水道管に古くから利用されています。
◆硬貨
 ・殺菌性、耐食性の高さなどから古来から利用されています。
◆ドア
 ・美観性の高さだけでなく、高い抗菌性から住宅だけでなく病院など公共施設でも採用されています。
◆調理器具
 ・優れた熱伝導性、保温性から高級調理器具に使用されています。

こうしてまとめてみると、銅って本当に色んな所で使われている金属ですね。銅が存在していなければ私たちの生活はもっと不便だったかもしれません。

銅が持つ特性のより詳細な内容は、各種ウスイ金属豆知識の記事をご覧ください。

ウスイ金属

2016年6月13日月曜日

銅と硬貨~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は「銅と硬貨」です。
以前の記事「銅と有色金属~ウスイ金属豆知識~」でも銅が硬貨に使われている事はご紹介させていただきましたが、今回は何故銅が硬貨として適しているのかをご紹介させていただきます。

現在、日本で使用されている硬貨のうち、1円玉のみアルミニウムで作られていますが、それ以外はすべてが銅合金でつくられています。金や銀などの貴金属よりも安価であるという理由もありますがそれ以外には

◆複雑なデザインの硬貨でも加工しやすい
◆優れた耐摩耗性によりすり減りにくい
◆錆びにくい
◆色が豊富にある
◆抗菌効果がある

こうした理由もあって銅合金が硬貨に選ばれているのです。多くの人々の手を長い年月わたり続ける、ある意味過酷な使用状況に耐えられ、加工がしやすく、原料が安価である銅はまさしく硬貨にピッタリですね!

ウスイ金属

2016年6月6日月曜日

銅の優れた抗菌性~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は「銅の優れた抗菌性」です。
これまでのウスイ金属豆知識で銅の様々な優れた性質をご紹介しましたが、銅にはまだまだ沢山優れた性質があります。

古来から「銅壺に入れた水は腐らない」と言われています。
実際、銅には抗菌作用があり、銅以外の金属ですと銀や金、鉛等も抗菌作用を持つ事で知られています。しかし、銀や金はとても高価な貴金属ですし、鉛には鉛中毒の恐れがあります。こうした点から安価で安全な銅や銅合金が様々な場所で活用されているのです。

家屋の中でもドアノブや取っ手、手すりなどに銅が使用されている事もありますがこれには銅の抗菌性に関係しているという側面もあります。ドアノブや取っ手などは多くの人が手を触れる部分ですからね。

銅って本当に便利で素晴らしい金属ですね!

ウスイ金属

2016年5月30日月曜日

銅の需要とその高まり~ウスイ金属豆知識~

今回のウスイ金属豆知識は「銅の需要とその高まり」です。
銅の優れた電気伝導度については以前の記事「銅の電気伝導度~ウスイ金属豆知識~」でご紹介させていただきましたね。今回は銅の電気伝導度のおさらいと、銅の需要の高まりについてご紹介します。

数ある金属の中でも最も電気伝導度が優れているのは、銀です。
そしてその次に銅、金、アルミニウムの順に高い電気伝導度をもっています。

銅は2番目に高い電気伝導度ですが、1番の銀と比べてもほとんど遜色がない電気伝導度をもっています。また、費用面でも銀と比べてはるかに安価です。その為、コストを削減するために電線や電子機器など電気が使われるヶ所にはほぼ必ずといっていいほど銅が使われています。

年々パソコンや携帯電話の普及が高まっていますね。自動車業界でもハイブリッド車の需要が高まっています。このように生活のインフラを支える機器の基礎パーツにおける銅の需要と重要性は高まる一方です。

ウスイ金属

2016年5月23日月曜日

銅の耐腐食性~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は「銅の耐腐食性」です。
前回のウスイ金属豆知識で銅の加工性の高さについてご紹介しましたが、銅は耐腐食性も高く、その特性を生かした活用も様々な場面で行われています。

銅が何故腐食に強いのか?その理由は、銅が酸素に触れると、表面に酸化銅の被膜が作られるからです。この被膜の存在で内部の金属が保護されるのです。

優れた耐腐食性を持つ銅は、かつて木造船の船腹部にも使われていました。また、現代でも大型船舶のスクリューは、銅を主成分とする合金でつくられています。銅は海水による錆や腐食に強いという特性もあります。

私たちの身近な場所では、水栓バルブ・水道管といった水まわりにも銅の耐腐食性を活かした合金が用いられています。

ウスイ金属

2016年5月16日月曜日

銅の加工性~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は「銅の加工性」です。
これまでのウスイ金属豆知識を読まれた方は銅が様々な物や形状に加工され活用されている事をご理解していただけたかと思いますが、今回は銅の加工性について少し掘り下げてご紹介したいと思います。

銅の融点(固体が融解し液体になる温度)は摂氏1,084度と他の金属と比べて比較的低い温度です。とても高温の様に思えますが、この温度は炭などの燃焼でも容易に実現できることから、先史時代から銅を熔解して利用する技術が生まれて、文明の発展へと繋がったのです。ちなみに鉄の融点は1,538度です。

更に銅は展延性に優れており、柔軟に変形できるので様々な形に加工しやすい金属なのです。銅は地金が美しいだけでなく、この様に加工のしやすさもあって、古来から美術品や装飾品の世界でも盛んに用いられてきたのです。産業において加工の容易さは重要なポイントですね。

ウスイ金属

2016年5月9日月曜日

銅と人類の歴史~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は「銅と人類の歴史」です。
これまでのウスイ金属豆知識でも古来より銅が様々な場面で活用されていた事をご紹介してきましたが、今回は銅と人類の歴史そのものについてご紹介します。

実は、銅は人類がはじめて利用した金属で先史時代には既に使われていたと言われています。先史時代とはまだ文字も生まれていない時代ですね。今現在わかっているだけでも、人類による銅の使用には少なくとも1万年の歴史があり、紀元前9000年の中東で最初に利用され始めたと推測されています。その後訪れる青銅器時代なんかはまさに銅の時代であり、銅がその時代の文化を物語っています。

人類は銅の発見により、狩猟や農業生産の効率化など様々な恩恵を得ました。銅によって人類の生活がより快適で豊かなものとなり、その結果様々な文明を開化させたのです。

長い時代の流れと共に、銅製の時代から鉄製の時代へと移り代わりますが、それでも皆さんご存知の通り銅は現代でも産業の発展に大きく貢献している金属ですね。銅と人類の歴史はとっても奥が深いですね!

ウスイ金属

2016年5月2日月曜日

銅を使った着色~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、「銅を使った着色」です。
前回のウスイ金属豆知識では、銅が様々な色彩を持っている有色金属であるという事をご紹介させて頂きましたね。銅は器物や建築物など様々な場所で塗料としても使用されていますが、ただ色彩が豊かというだけでなく様々な利点もあるのです。

銅(緑青)には防水性と防食性という特色があります。
その為、日本だけでなく世界各地で古代より多くの建築物に用いられてきました。わかりやすい例をあげると神社などでよく見かける緑色の屋根や、鎌倉の大仏様、自由の女神などです。これらに見られる緑色は長期にわたる化学反応によるもので「緑青」と呼ばれています。この緑青は酸化腐食に対して強い耐久性を持っている為、建築物に用いられますがその美観性も注目したい所ですね。

他にも銅は花火の着色料としても使われているんですよ。
銅を使った着色方法はまだまだ他にも沢山有ります。
興味を持たれた方は是非調べてみて下さい。

ウスイ金属

2016年4月25日月曜日

銅と有色金属~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、「銅と有色金属」です。
金属と聞いてどんな色を連想しますか?ほとんどの金属は灰白色をしていますが、純金属の中では金と銅のみがはっきりとした色相を有している「有色金属」なのです。

また、銅は合金にする事で様々な色彩を表現する事も可能で丹銅、黄銅、青銅、白銅、洋白という色の名前があります。色の名前だけだとわかりづらいかもしれませんね、それぞれの銅がどの様な場面で使用されているのか一例をご紹介させていただきます。


  • 丹銅…金管楽器、装身具など
  • 黄銅…仏具、五円硬貨など
  • 青銅…十円硬貨、銅鏡など
  • 白銅…五十円硬貨、百円硬貨など
  • 洋白…五百円硬貨、フルートなど


硬貨が最もわかりやすいのではないでしょうか。
こうして見てみると銅が私たちの生活の中でとっても身近な金属だという事がわかりますね。

次回のウスイ金属豆知識では、銅を使った着色についてご紹介させていただこうと思います。
ウスイ金属

2016年4月18日月曜日

銅の非磁体性~ウスイ金属豆知識~

これまでのウスイ金属豆知識でご紹介した様に、銅には様々な特徴や性質がありますが、まだまだ紹介しきれていない特徴が沢山あります。
今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、銅の非磁体性です。

非磁体性とはつまり、磁気を生じないということです。

たいていの物質は強い磁気にさらされると磁化しますが、銅はしません。アルミや空気も非磁体性ではあるものの、強い磁気にさらすとほんの僅かではありますが磁気が発生します。

銅はこの非磁体性という特徴を生かし、様々な場面で活用されています。
その一つが、地球の磁気の観測です。地球の磁気を観測する機器は全て銅もしくは銅合金が使用されています。銅の非磁体性の特性により狂いのないより正確な観測や研究を行う事が可能なのです。

ウスイ金属

2016年4月14日木曜日

銅の電気伝導と熱伝導の関係~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、銅の電気伝導と熱伝導の関係です。
前回の記事「銅の電気伝導度~ウスイ金属豆知識~」と、前々回の記事「銅の特徴 ~ウスイ金属豆知識~」で銅の優れた電気伝導度と熱伝導度についてご紹介させていただきましたが、今回はそれらの関係についてご紹介させていただきます。

実は銅の「電気伝導」と「熱伝導度」には相関関係があります。
その為、電気伝導度が高いと熱伝導度も高いということになります。

銀も上記の相関関係が当てはまり、
銅よりも高い電気伝導度を誇る銀は、熱伝導度も銅を凌ぎます。

この様に、電気伝導度と熱伝導度の傾向は相関関係にあるものが多く、実際にその他の金属でも同様のものが多く確認されています。しかしながら、中には電気伝導度が高くても熱伝導度が低いというものもあるので、必ずしも相関関係にあるというわけではありません。

ウスイ金属

2016年4月11日月曜日

銅の電気伝導度~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、銅の電気伝導度です。
前回の記事「銅の特徴 ~ウスイ金属豆知識~」でご紹介した様に、銅は熱伝導に優れていますが、更に電気伝導にも優れているのです。つまり、電気をよく通すという事ですね。

どれほど良く電気を通すのかというと、常温では金属の中で最も電気を通す銀に次いで、2番目に銅が電気を良く通します。電気をよく通す=電気抵抗が小さいということです。その為、銅は電線、大型発電機、リードフレームなどなど電気を通す機器用素材として様々な場面で活躍しているのです。

ちなみに、銅は電気を通しやすいという特性の他に、柔らかいという特性も持ち合わせている為、電線として重宝されているのです。しかしながら、銅には「重い」というデメリットもあるので電線の用途によってはアルミなど他の素材を用いた電線を使用する場合もあります。

ウスイ金属

2016年4月5日火曜日

銅の特徴 ~ウスイ金属豆知識~

当社ウスイ金属は、非鉄金属リサイクルを主な事業とし、銅やアルミを日々取り扱っています。
そこで今回は”ウスイ金属 豆知識”として、銅の特徴をご紹介したいと思います。

銅は、熱伝導に優れているという特徴を持ちます。
その特徴を生かしている身近なものと言えば調理器具です。
例えばお鍋であれば、お鍋全体にまんべんなく熱を伝える事が出来ますし、更には調理後に冷めにくいという利点もあるそうです。その為、老舗のお菓子屋さんやフランス料理などの有名シェフといったプロの料理人の殆どが銅製の調理器具を愛用しているそうです。美味しい料理を作るには道具も重要なのでしょうね。
ちなみに、玉子焼きには銅製の玉子焼器が最適だと言われています!

そんな銅ですが、欠点もあります。
それは、すぐ変色して黒ずんでしまう点です。
銅製の調理器具でも同様にすぐ黒ずんでしまうので手入れが必要です。手入れの手間暇もかかるのでそういった意味でも家庭用というよりは、プロ向けですね。

他にも銅は延性や展性にとんでいるという特徴があり、その特徴を生かし、引きのばして銅線にしたり叩きのばして銅箔にしたりすることが可能です。電化製品のケーブル内部には銅線が、パソコンやスマートフォンなどの電子機器の基盤には銅箔が使われています。銅は私たちの日常を支えている資源の一つですね。

ウスイ金属