2016年8月29日月曜日

アルミニウムと人体への摂取~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、「アルミニウムと人体への摂取」です。

貧血予防などで欠かせない鉄分と異なり、人体へのアルミニウムの摂取はあまり聞きなれませんし、まさか?と思いますよね。実は、食品や食品添加物、飲料水や調理器具などを通して私たちは日頃から微量のアルミニウムを摂取しています。

1日当たりのアルミニウムの摂取量は、地域や食生活などによって異なりますがWHOによる報告では2.5~13mgと言われています。

では、人体に摂取されたアルミニウムはどの様な働きをするのでしょうか?
一般的に、体の中には常に35~40mgのアルミニウムが存在していると言われており、主に肺や骨などに分布し、わずかに血液・脳などにも分布しているそうです。こうして聞くと私たちの身体を維持する為に鉄分と同じくアルミニウムも必要な様に感じますが、実はアルミニウムの体内での働きは未だにハッキリとは解明されていません。そして、人体に摂取されたアルミニウムの殆どは体に吸収されずそのまま排泄されます。

体内でどの様な働きをするのかよくわからないものを摂取しているなんて…と不安に感じられる方もいるかもしれませんが、アルミニウムを含んでいる食品は海藻・貝類・肉・魚・白米・野菜・茶類など私たちのごく身近な食品に多少なりとも含まれているものですのでご安心下さい。

未だにどの様な働きをするかわかっていないというのも不思議ですが、取り込まれたアルミニウムの大半が排泄されている事から察するに、私たちの身体にはあまり必要のない成分なのかもしれませんね。

今回のウスイ金属豆知識は、産業の分野から少し離れてみたアルミニウムの一面でした。

ウスイ金属


2016年8月22日月曜日

人類とアルミニウムの歴史・後編~ウスイ金属豆知識~

前回のウスイ金属豆知識で「人類とアルミニウムの歴史・前編」をご紹介させていただきましたね。今回のウスイ金属豆知識は「人類とアルミニウムの歴史・後編」です。

1900年代以降のアルミニウムと人類の関わりについてご紹介させていただきます。

【人類とアルミニウムの歴史・後編】

  • 1894年 日本ではじめてアルミニウム製品が製造。
  • 1897年 日本の民間でアルミニウム板の生産開始。アルミニウム製の鍋や水筒、弁当箱などが製造される。
  • 1903年 ドイツのアルフレート・ヴィルムがジュラルミンを発明。この発明でアルミニウムの用途が一気に広がり、主要工業材料としての地位を確立。
  • 1929年 日本でアルマイト処理が発明される。
  • 1926年 予定存続期間を99年間とした国際カルテルがヨーロッパで誕生。
  • 1934年 アルミニウムの製錬が日本で始まる。
  • 1936年 日本で超々ジュラルミンが開発。
  • 1959年 日本でレディメードアルミサッシが登場。
  • 1969年 日本でのアルミニウムの総需要が100万トンを突破。
  • 1970年 世界でのアルミニウムの総需要が1000万トンを突破。
  • 1971年 日本でオールアルミ缶が登場。
  • 1987年 日本でのアルミニウムの総需要量が300万トンを突破。
  • 1990年 オールアルミボディ車「NSX」が日本の自動車メーカーホンダから登場。
  • 1995年 世界でのアルミニウムの総需要が2000万トンを突破。
  • 1996年 日本でのアルミニウムの総需要が400万トンを突破。


この歴史をたどる事で、日本や世界でのアルミニウムの需要の高まり、そして工業技術の目覚ましい発展がよくわかりますね。特に、日本で開発された超々ジェラルミンは飛行機などにも使用されるアルミニウムで、航空機の生産に大きく貢献している技術です。

ウスイ金属

2016年8月16日火曜日

人類とアルミニウムの歴史・前編~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、「人類とアルミニウムの歴史・前編」です。
人類とアルミニウムの歴史はご紹介すると長くなりそうなので、前編・後編と分けてご紹介させていただこうと思います。

【人類とアルミニウムの歴史・前編】
  • 1782年 フランスの化学者アントワーヌ・ラヴォアジエがミョウバンの中に金属が含まれているという説を発表しました。
  • 1807年 イギリスの電気化学者ハンフリー・デービーが水素気流中で融解アルミナを電気分解する手法で金属アルミニウムの存在を確認。アルミアムと命名。
  • 1855年 フランスの化学者アンリ・サント・クレール・ドビーユが化学還元法によりアルミニウム製錬を開始。
  • 1886年
    • アメリカのチャールズ・マーティン・ホールが電解製錬法を発明。
    • フランスのポール・エルーがホールより数か月遅れて電解製錬法を発明。
    • 現在に至るまで使用されている電解製錬法(ホール・エルー法)が確立。
  • 1887年 オーストリアのカール・ヨーゼフ・バイヤーがボーキサイトから高純度のアルミナを効率的に製造するバイヤー法を発明。ホール・エルー法と合せて、現在のボーキサイトからアルミニウムまでの製造法が確立されるに至りました。
有史以前から人類の文明と密接な関係があった銅と比べると、アルミニウムは歴史の浅い金属の様に感じられますね。「人類とアルミニウムの歴史・後編」のウスイ金属豆知識では、1900年代以降のアルミニウムの歴史をご紹介する予定です。

ウスイ金属

2016年8月8日月曜日

アルミニウムの加工方法~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は「アルミニウムの加工方法」です。
前回のウスイ金属豆知識でアルミニウムがどの様にできるかご紹介しましたね。素材から出来上がったアルミニウムはどの様に加工され、製品となるのでしょうか。

アルミニウムの板などは様々な加工を行うことにより、最終的に製品となります。アルミニウムの加工方法には曲げ・絞りなどといった成形、切削、切断、接合、表面処理など様々な方法があります。また、こうした加工方法は年々進歩を遂げており、アルミニウム製品の信頼性の向上、新たな付加価値の誕生などとても重要な役割です。

数ある加工方法の中でも、アルミニウムの接合方法は多種多様です。
大きく分けると、機械的接合、接合、溶接の3つに分ける事ができます。

◆機械的接合…ボルトなどの締結材を使用して接合する方法や、板の端を折り曲げてかみ合わせる方法など。

◆溶接…アルミニウムを加工する際の接合方法では溶接が主流です。また、溶接の中にもレーザー溶接や按摩攪拌溶接など様々な溶接方法があります。

他にも蝋付けやはんだ付け、接着など様々な加工方法があります。

ウスイ金属

2016年8月1日月曜日

アルミニウムができるまで~ウスイ金属豆知識~

前回までのウスイ金属豆知識で、アルミニウムが軽く、高い強度を誇る金属だという事をご紹介しましたね。今回のウスイ金属豆知識はアルミニウムがどの様に作られているのか、その過程についてご紹介します。

  1. アルミニウムの原料は「ボーキサイト」という鉱石です。
  2. 採掘したボーキサイトをか性ソーダ液で溶かす
  3. アルミン酸ソーダ液ができる、アルミナ分を抽出
  4. アルミナを熔解氷晶石の中で電気分解する
  5. アルミ地金の完成

こうしてアルミニウムができるわけですが、完成したアルミ地金を原料とし、

  • 圧延
  • 押出
  • 鍛造
  • 鋳造加工

といった様々な加工方法を用いて、いろいろな形の製品素材に成形する事が出来ます。
アルミニウムはとても身近な金属ですが、どうやって作られているのか知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?

ウスイ金属