2017年2月6日月曜日

アルミ銅マグネシウム合金~ウスイ金属豆知識~

前回のウスイ金属豆知識では、ジュラルミンについてご紹介させていただきましたね。
今回のウスイ金属豆知識では「アルミ銅マグネシウム合金」についてご紹介させていただきます。

アルミ銅マグネシウム合金は、アルミニウムに銅を加える事で強度を上げたアルミニウム合金です。その強度は鉄鋼材料にも匹敵すると云われています。

アルミ銅マグネシウム合金は、加工に際して熱処理を行うタイプですが、熱処理を行う事で更に強度が上がるという特色を持ちます。

そしてアルミ銅マグネシウム合金の中には更に色んな種類があり、前回ご紹介させていただいたジュラルミン、それを凌ぐ超ジュラルミンなどもアルミ銅マグネシウム合金に分類されます。高い強度故に航空機の材料としても使われています。

ただし、前回のジュラルミンでもご紹介させていただきましたがアルミ銅マグネシウム合金は銅を含む事で強度が上がる一方で、耐食性が劣るという難点もあります。一長一短といった所ですが、耐食性を向上させる塗装や、純アルミを表面に圧延するという技法などで補う事も可能です。

ウスイ金属

2017年1月30日月曜日

ジュラルミン~ウスイ金属豆知識~

前回のウスイ金属豆知識では、アルミニウム合金をご紹介していく手始めとしてまず純アルミニウムについてご紹介させていただきましたね。

今回のウスイ金属豆知識では数あるアルミニウム合金の中でも特に有名な「ジュラルミン」についてご紹介させていただきます。

【ジュラルミンとは?】
ジュラルミンとは、アルミニウムに銅やマグネシウムなどを混ぜ合わせたアルミニウム合金です。1903年のドイツでジュラルミンは発見されました。ジュラルミンの特色は何と言っても「軽量」かつ「高い強度を誇る」という点です。
ジュラルミンを代表する製品といえば「ジュラルミンケース」を連想される方も多いと思います。ジュラルミンケースは、ジュラルミンのこうした軽くて頑丈な特性を活かして作られた製品なのです。また、ジュラルミンは発見から現在に至るまで航空産業を支える貴重な存在となっています。
ただし、他のアルミニウム合金に比べ耐食性などが劣るという欠点もジュラルミンは持ち合わせています。しかし日々の改良研究や、表面を塗装で保護するなど様々な工夫によりこうした欠点もカバーしてより有用に活用されています。

軽くて頑丈なアルミニウム合金、ジュラルミンでした。
ウスイ金属

2017年1月23日月曜日

純アルミニウム~ウスイ金属豆知識~

アルミニウムはアルミニウムでも、アルミニウムに様々な金属が合わさった「アルミニウム合金」というものもあります。その為、アルミニウムには純アルミニウムをはじめ様々な種類が存在しています。

これまでのウスイ金属豆知識で様々なアルミニウムの特性をご紹介してきましたが、他の金属を混ぜ合わせて合金化する事でこうした特性を更に伸ばす事も出来るのです。

次回からのウスイ金属豆知識では、各種アルミニウム合金をご紹介していきますが、今回はまず純アルミニウムについてご紹介します。

99%がアルミニウムで構成された物を純アルミニウムと言います。
純度が高い純アルミニウムは、アルミニウムの特性である加工性や熱・電気伝導性という優れた特性が見られます。一方では強度が低いといった難点も見られ、純アルミニウムの主な用途は家庭用品や電気器具などに絞られます。

こうしたアルミニウムの長所を生かし、短所を補う様に用途に合わせて作られるのがアルミニウム合金ですね。

ウスイ金属

2017年1月16日月曜日

アルミニウムの特性まとめ~ウスイ金属豆知識~

これまでのウスイ金属豆知識でアルミニウムの特性について数多くご紹介してきましたね。今回のウスイ金属豆知識では一度アルミニウムの特性を一覧にしてまとめてご紹介してみたいと思います。

アルミニウムには以下の様な特性があります。

【アルミニウムの特性】

  • 軽い
  • 強い
  • 錆にくい
  • 加工性が良い
  • 電気をよく通す
  • 磁気を帯びない
  • 熱をよく伝える
  • 低温にも強い
  • 光や熱を反射する
  • 毒性が無い
  • 鋳造しやすい
  • 接合しやすい
  • 真空特性が良い
  • 再生しやすい
  • 高い美観性


アルミニウムは数々の優れた特性を持つ金属ですが、こうして並べてみると改めてアルミニウムの素晴らしさがわかりますね。飲料缶や自動車のパーツなどアルミニウムの活用の幅広さもこうした特性の多さから来ているものですね。

ウスイ金属

2017年1月10日火曜日

アルミニウムと電気自動車~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、「アルミニウムと電気自動車」です。
国内自動車メーカー大手トヨタ自動車では今、電気自動車の“電池”としてアルミニウムが注目されています。とっても興味深いニュース記事でしたので、引用してご紹介させていただきます。

現在、街中を走っている主な自動車はガソリン車ですが、ガソリン車から排出される二酸化炭素による地球温暖化問題など、環境保全に対する意識から今後ガソリン車は減り、電気自動車など二酸化炭素を排出しない自動車に置き換わるであろうといわれており。現に、国内外を問わず様々な自動車メーカーから電気自動車が開発され、徐々に市場でのシェアを広げている様です。

そんな電気自動車ですが、車体にリチウムイオン蓄電池が搭載されており、いわば充電式の電池です。より電気自動車の利便性を上げる為、要であるリチウムイオン電池の充電容量などを上げたい所ですが、リチウムイオン電池の性能向上には上限があり、既に上限へ近い水準に達している為、今後の伸びしろが限られているのだそうです。

そこで、トヨタ自動車ではリチウムイオン電池にとって代わる新たな電池として、「アルミニウム空気電池」に注目している様です。

アルミニウム空気電池、それも一次電池に注目したのだという。「亜鉛やリチウムの空気電池で生じる問題が起きず、高出力で高安全な電池ができる」(陶山氏)。自動車に適した性質だ。
参考:リチウムを超える「アルミニウム」、トヨタの工夫とは 

このトヨタが注目するアルミニウムの一次電池は、従来の電気自動車で用いられてきた充電式のリチウムイオン電池と異なり、充電が出来ず使い切りの電池となります。充電出来ないなんてとっても不便では…?と思われますが、視点を変えれば

「車載電池の容量は現在でも非常に大きい。これを一般的な電気プラグで急速充電しようとすると、電池側がどんなに頑張ってもインフラが制約になってしまう。それに対して金属空気一次電池では放電後のバッテリーパックを交換する『メカニカルチャージ式』を採用することで、急速補充が期待できるのではないかと考えている」(陶山氏)。
参考:リチウムを超える「アルミニウム」、トヨタの工夫とは 

急速充電器は、普通充電器よりも高価だ。さらに短時間で充電しようとすると大電流を扱う機器が必要になるという主張だ。電池本体を交換式にしておけば、電池の容量が多くなっても交換に必要な時間はさほど変わらない。容量が100%残っている電池を差し込めば、そのまま「満充電」状態になる。
参考:リチウムを超える「アルミニウム」、トヨタの工夫とは 

上記の様なメリットも得られる様ですね。
確かに、電池を差し替えるだけですぐに満充電状態になるのならとっても手軽ですね。
まだまだアルミニウム一次電池にも課題はある様ですが、解決策もトヨタ自動車では研究されている様です。アルミニウムは自動車産業の場面でも大活躍ですね。

ウスイ金属

2016年12月26日月曜日

アルミニウムとリサイクル~ウスイ金属豆知識~

今回のウスイ金属豆知識ではアルミニウムとリサイクルに注目してご紹介します。

身近なアルミニウムといえば、アルミ缶ですね。
アルミ缶と言えば回収されリサイクルされている事は皆さんもご存じかと思います。
何故アルミ缶の回収・リサイクルが盛んに行なわれているのでしょうか?その理由はアルミニウムの特性に関係しています。

アルミニウムには他の金属と比較して、腐食しにくい、融点が低いといった特性があり、この特性により使用後のアルミ製品を溶かし再利用する事が容易となっています。さらに、アルミニウムの場合再生地金を作成するのに必要なエネルギーが、新たに地金を作る場合と比較して、なんと僅か3%で済むのです。少ないエネルギーで容易に再利用する事が可能というわけです。肝心なリサイクル後の品質も、新地金と大差ない物が出来るので、とても経済的です。

こうした理由から、アルミ缶の空き缶回収が盛んに行なわれているのですね。
これまでのウスイ金属豆知識でご紹介したアルミニウムの様々な特性などをみても、今後ますますアルミニウムの需要は増える一方でしょう。そうした中、アルミニウムのリサイクル率の高さ、容易さは素材としての安定的な供給という面で安心出来ますね。

ウスイ金属

2016年12月20日火曜日

銅の殺菌効果と有機野菜~ウスイ金属豆知識~

今回ご紹介するウスイ金属豆知識は、銅は銅でも今までとは全く異なるシーンで活用されている銅をご紹介させていただきます。これまでご紹介したウスイ金属豆知識では、主に工業などの場でしたが今回は農業で活用されている銅です。

「ボルドー液」という農薬をご存じでしょうか。
ボルドー液には、硫酸銅が含まれており、銅の殺菌効果が活かされている農薬です。ボルドー液は、果物や野菜など幅広い農作物に使用する事が出来るので汎用性が高く、薬害も少ない農薬なので、農林水産省が告示する「有機農作物の日本農林規格」にも指定されており、有機農法での使用を認められています。今年放送されたNHK連続テレビ小説「あさが来た」のワンシーンでもボルドー液が登場していましたね。

食の安全に対する意識が高まる中、有機農法で作られた有機野菜の人気も自ずと高まっています。有機野菜と言えば無農薬で作られた野菜というイメージが高いですが、実際の所まったくの無農薬というわけでもありません。化学農薬、化学肥料および土壌改良材を使用せず作られた農産物、および必要最小限の使用が許されている化学資材を使用して生産されたものを指します。他にも細かい条件などはありますが、銅が含まれているボルドー液は国が定める有機JAS法で認められている薬害の少ない農薬なのです。その為、ボルドー液が使用されていても立派な有機野菜なのです。

銅の殺菌効果は、工業と畑違いともいえる農業の場面でも活用されているのです。銅って凄いですね!

ウスイ金属